知らなかったじゃ済まされない!清算条項って何?

こんにちは、リコです。

たまにこういうご相談を受けるんですよ。

相談者
相談者

最近離婚したんですけど、私が何にも知らないからって、夫の言いなりで離婚しちゃったんです!今からでもきちんと財産分与が欲しいです!

だけど、これ、財産分与可能な場合とそうでない場合があるんですよ。

この記事では、その辺りを書いてみようと思います。

離婚後2年以内は財産分与請求可能

財産分与って、必ずしも離婚時にしないといけないわけではないんですよ。

てゆーか、離婚時に必ず決めないといけないのって、実は親権くらいなんですよね。

だけど、全部決めてから離婚した方がお得なことが多いので、通常は財産分与も含めて全ての条件を決めてからの離婚をオススメすることが多いです。

私

なぜお得なのかはこちらの記事でご確認ください。

そんなわけで、通常は離婚時に財産分与も決めることが多いのかなと思うのですが、決めずに離婚しても、2年以内であれば、財産分与を請求することは可能です。

具体的には、相手に協議を求めて、相手が協議に応じなければ、財産分与請求調停というものを申し立てて、裁判所で話し合うことが可能です。

調停で折り合いがつかなければ、審判という手続に移行して、最終的に裁判所がいくら財産分与すべきかを決めてくれます。

私

離婚については、調停が不成立になれば、どちらかが「裁判」を起こす必要がありますが、財産分与とか婚姻費用とか、離婚に付随する条件についての調停は、不成立になると自動的に「審判」に移行して、裁判所が判断してくれることになっています。

清算条項がある場合には財産分与NG

このように、離婚の時から2年以内は財産分与を請求することが可能なのですが、これができない場合があります。

それは、離婚時に離婚協議書や公正証書等を作成していて、その中に「清算条項」がある場合です。

調停とか和解とか、裁判所を通じた話し合いに基づいて離婚する場合にも、必ず「清算条項」が入ります。

清算条項とは

清算条項というのは、離婚協議書や調停条項など当事者間の合意事項を列挙した最後に記載し、そこで合意したこと以外にもう紛争の火種はありませんよ、ということを確認して事後的な紛争の蒸し返しを防止する趣旨の条項です。

具体的には、「甲及び乙は、甲と乙との間には、本件離婚に関し、本協議書に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。」というような形で定められます。

この規定があると、基本的に合意事項で決めたこと以外に当事者間で請求したりされたりすることはできなくなりますので、たとえ財産分与について納得のいく形でなかったとしても、後から、

納得がいかない妻
納得がいかない妻

やっぱりあの金額じゃ納得できないから、もう一度決め直してほしい!

などということはできなくなります。

私

調停はあくまで話し合いなので、清算条項がある場合でも相手がたが話し合いに応じてくれれば、調停が成立する余地はあると思います。だけど、調停で折り合わずに審判手続に移行すれば、裁判官は、「清算条項があるんだから、変更できないでしょ。」って判断することになると思います。

ただし、例えば、相手方が不貞行為の事実を隠していたとか、意図的に財産を隠していたとか、その事実を知っていたらおよそその内容では合意しなかった、といえるような場合には、清算条項があったとしてもこれを覆すことが可能なケースもあります。

とはいえ、基本的には清算条項を覆すのは非常に難しいので、合意事項をよく確認せず安易に承諾することは危険です。

私

冒頭の相談者さんのように、ご本人が夫の説明を理解できていなかっただけで、夫が意図的に財産隠しをしたわけじゃないような場合には、清算条項を覆すのは難しいですね。。。

まとめ

財産分与は離婚成立後も2年間は請求することが可能ですが、離婚時に財産分与をするしないも含めて条件について合意し、その際に清算条項についても合意した場合には、原則として財産分与をやり直すことはできません。

清算条項というのは、紛争の蒸し返しを防ぐ趣旨のもので、一度決めたら安易に決め直すことはできません。

離婚条件について合意をする際は、本当にこの条件で離婚していいのか?を慎重に検討した上で合意するようにしましょう。

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