こんにちは、リコです。
離婚相談を日々受けていると、たまにどうしても調停とか訴訟はしたくないという人がいます。
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裁判所を利用したくない理由
やっぱり裁判所ってなんか怖いイメージありますよね?
弁護士もそうかもしれませんが、一生に一度もお世話にならない人だって大勢いるわけですし、なんか大ごとな感じがして心理的に抵抗があるんだろうなあと思います。
裁判所って、なんか怖そう・・・
あと、時間がかかること。
調停や裁判って、定期的に「期日」というものが設定されて、手続が進められていくのですが、これが大体1〜2か月に1回ペースなのです。
特に今はコロナの影響で予定が入りづらくなっていますので、間が2か月以上空いてしまうこともあります。
今は調停では、2か月に1回が普通みたいになってますねー。。。
だから、早く離婚したい人にとっては、
そんな時間のかかる手続やってらんない!
ってことなんだろうと思います。
他にこんな人もいましたね。
裁判じゃ勝てないから。
夫は私に彼氏がいるの知ってるんだから、裁判なんかしたら負けちゃうじゃないですか!
・・・そんなこと偉そうに言われましても。
という感じなんですけど。
裁判所を利用したくない人に理解してもらいたいこと
我々が仕事をする際にも、裁判所を利用しなくて済むなら利用しない方がいいと思っています。
ですが、裁判所を利用しないということは、協議=話合いで進めるということになりますので、相手の同意・協力が必須なのです。
ということは、相手がそもそも全く離婚に応じるつもりがない状態で、話合い自体を拒否している場合には、協議で進めることは無理なのです。
このような状況で、調停も裁判も絶対NOと言われてしまうと、弁護士としてできる仕事はなくなってしまいます。
話合いに応じてくれるように働きかけるくらいしかできないですね・・・
この場合、裁判所を利用すれば手続を前に進めることができるのですが、時間がかかるからといって裁判所を利用せず、相手の心変わりを待っていると、結局裁判所を利用するよりももっと時間がかかってしまうことになります。
実際に、相手の心変わりを待っていたら、2年も3年も経ってしまったという人や、10年以上経ってしまったという人もかなりいます。
10年以上経っていたケースなんかは、
もっと早くに裁判所を利用していれば、3年もかからずに終わっていたはずなのになー。
という感じです。
そもそも相手が絶対に離婚に応じないという意思が固い場合には、裁判所を利用せずに離婚することは不可能です。
なぜなら、離婚を望まない当事者の意思に反して強制的に離婚させられるのは、裁判所だけだからです。
お約束できないこと
そんなわけで、
どうしても裁判所を利用したくないけど、一刻も早く離婚したいという私の願いを叶えてください!
と言われても、申し訳ないですが、お約束できません。
特に裁判では勝てないから、話合いで絶対に解決しろとか言われても、相手の出方次第なので、絶対に無理とは言いませんが、ほぼほぼ無理ですよね。。。
そこをなんとかするのが弁護士の仕事だろ!
ってお叱りを受けたこともあるんですが、そんなこと言われても・・・
協議でなんともできない場合のセーフティネットとして裁判所があるわけですから、その利用を禁じられた状態で約束を受けるなんて、リスクがありすぎて無理なのです。
ちなみに裁判で勝てないということは、自らが不貞行為をしたとか、要するに
自業自得じゃん!
という状況なわけであって、話合いで進めるとしたって、
相手の言い値でお金払います!
とか、そのくらい100%下手に出て初めて話合いの余地が出てくるぐらいのものなんですよ。
だけどなぜか、そういう人に限って、裁判所の利用を禁じるだけでなく、2か月以内に解決しろとか、お金は払いたくないとか、
いやそれもうどれだけ敏腕弁護士頼んだって無理だから!!
ということを言ってくるんですよ。
・・・すみません、なんだか愚痴っぽくなってしまいましたね。
だけど、このような状況で自分の願いを叶えることが可能なのかどうかを一度客観的に考えてみていただけたらなあ、と思うのです。
そんなわけで、離婚したいけどどうしても裁判所を利用したくないと考えている方は、利用したくない理由がなんなのか、離婚したい気持ちと裁判所を利用したくない気持ちはどちらがどれだけ大きいのか、といったことを一度冷静に考えてみていただけたらと思います。