親権は簡単に諦めちゃダメ

こんにちは、リコです。

最近こんな相談が多いのですが・・・

妻

夫がどうしても親権が欲しいって言うので、とりあえず夫を親権者にして離婚して、後から親権を取り戻そうと思うんです。

私の反応はこちら。

私

絶対やめて!

・・・ということで、この記事では、なんで後から親権を取り戻そうとするのがオススメできないのかを解説したいと思います。

なんで後から親権を取り戻そうとするのがオススメできないのか?

・・・そんなの決まってるじゃないですか。。。

めちゃくちゃ大変だからですよ。

その理由はこれから解説しますね。

そもそもなんでこんな考えが?

まず、大前提として、離婚時には必ず親権者を決める必要があります。

ということは、親権者についてお互いに譲らない場合には、そもそも離婚ができないんですよ。

私

どんな離婚条件をいつ決める必要があるかは離婚条件は決めてから離婚しようという記事をお読みください。

妻

もうお互いに離婚することについては合意できているんです。

ただ、親権者をどっちにするかが決まっていなくて・・・

とか言ってるそこのあなた!

それってそもそも離婚の合意ができていないのと一緒ですからね?

私

そもそも私は離婚の合意自体ほとんど信じてないですけどね・・・(その理由は夫は離婚に応じてくれています。という記事をご参照ください。)

・・・ということで、離婚時に親権争いを始めると、お互い離婚したいと思っているのに、何年も離婚できないという事態が生じ得るので、

妻

夫があんまりにも頑固だから、このまんまだといつまで経っても離婚できないかも。

だったら、とりあえず夫に親権渡しておいて、後で取り戻せばいいかなあ・・・

とか考えちゃうんですよね。

私

お気持ちはよくわかります・・・

オススメできない理由

でもでも、それでもやっぱりオススメできません!

理由① 夫が心変わりするはずがない

そもそも離婚時に頑なに親権を譲らなかった夫ですよ?

時間が経ってから

妻

私に親権譲ってくれない?

とか言ったところで、

夫

は?ふざけんなよ。

って一蹴されるのがオチですよね。

理由② 当事者が勝手に変えられない

こちらも勘違いされている方が多いのですが、親権というのは、当事者間の合意では変更できません

必ず裁判所の調停・審判によって変更する必要があります

妻

私に親権譲ってくれない?

夫

ああ、いいよー

なんて奇跡の展開が起きたとしても、簡単に変更できないんですよ。

理由③ 離婚時に親権者を決めるよりもハードルが高い

そんなこんなで、親権者を変更するには、裁判所に調停か審判を申し立てる必要があります。

私

調停というのは、当事者が話し合って合意を形成する手続です。

審判というのは、最終的に裁判所が結論を出す手続です。

調停で当事者間の合意が形成できなければ、審判に移行することになります。

当事者間で親権を争っている場合に調停をしたって結論が出るはずがないので、通常、審判を申し立てるのですが、その際のハードルが、離婚時に親権者を決める場合よりもずっと高くなってしまうのです。

離婚時に親権者を決める場合、裁判所は、

夫と妻のどちらが親権者として相応しいか?

を判断します。

私

実際には、離婚前に別居をすることが多いので、別居中にどちらの親が子どもを育てるかで争いになるケースが多いです。

そこで、実際に子どもを育てる親(=監護者)を裁判所が指定する手続(これを監護者指定といいます。)が行われ、一度監護者が指定されると、その監護者が離婚時に親権者になります。

この監護者指定がどういう手続なのか、どういう基準で監護者が指定されるのかについては、「【監護者指定】母親が有利というのは本当か」という記事をご覧ください。

つまり、判断する時点(=まだ離婚していない時点)では、二人とも親権者なので、同じスタートラインに立っているわけです。

ですが、親権者を変更しようとしている時点では、そもその二人のスタートラインは同じではありません。

夫は親権者で、あなたは親権者ではありません。

そうすると、裁判所は、

夫から妻に親権者を変更すべき積極的な理由があるか?

を判断します。

たとえ妻の方が料理が上手だったり、子育てが上手だったりして、夫と比べて親権者に相応しい事情があったとしても、夫が親権者のままでも特に困らなかったら、変更は認められないんですよ。

私

実際に親権者変更が認められるのは、子どもがそれを望んでいたり、子どもが妻の所に来てしまったりしたような場合が多いですね。

なので、離婚時に親権を争っていれば勝てたような場合でも、変更が認められない場合もあるわけなのです。

まとめ

そんなわけで、離婚時に争うのが大変だから、とりあえず親権を渡して離婚してしまいたい、と考えてしまうのも無理はないと思うのですが、

  • 夫が心変わりして親権を譲ってくれるはずがない
  • 親権は当事者が勝手に変更できない(=裁判所の調停・審判が必要)
  • 離婚時に親権を決めるよりも変更の方がハードルが高い

という理由により、親権を事後的に取り戻すことはめちゃくちゃ大変なので、どんなにしんどくても離婚時に親権を死守することをオススメします。

私

応援しています!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA