こんにちは、リコです。
日々離婚相談を受けていると、頻繁に耳にするのがこんな言葉たちです。
なんで私ばっかり損しなきゃいけないんですか?
なんで私ばっかり我慢しなきゃいけないんですか?
なんで私ばっかり酷い目に遭うんですか?
なんで彼ばかり得するんですか?
・・・逆に聞いていいですか?
なんで私ばっかりって思えるの?
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なんで私ばっかりの登場場面
離婚手続を進めるには、その都度状況に応じてお客様と打ち合わせて方針を決めていきます。
その際に、お客様から要望を聴き取りつつ、今後の見通しを可能な範囲で説明します。
お客様からの要望が、その夫婦間の状況や、裁判所の実務的な運用に照らして通らないだろうと思われる場合には、それも伝えます。
手続の状況によっては、裁判官から見通しを伝えられることもあります。
このように、自分の要望が通らないとわかったときに出てくるのが、「なんで私ばっかり」になります。
なんで私ばっかりの背景
こうした発言をされる方の中には、
いやいや「なんで私ばっかり」っていうけど、それ絶対相手も同じこと思ってるでしょ。
と言いたくなる人ももちろんいるのですが、中には同居中に本当に大変な目に遭われていて、
「なんで私ばっかり」と思ってしまうのも無理はないな・・・
と思わせるほどに辛い経験をされている方もいらっしゃいます。
だからこそ、裁判官が正しく判断をしてくれれば、自分の主張は全て通るはずだと思ってしまうのだろうと思います。
ですが、裁判官は神様ではありませんので、どんなに酷い目に遭ったと主張しても、基本的には証拠がなければそれを事実と認めることはできません。
また、酷い目にあったという事実が認められたとしても、基本的にはそれによって婚姻費用や養育費、財産分与の金額が変わるわけではありませんし、慰謝料にも相場というものがありますから、必ずしも要求どおりの金銭の支払が認められるわけではありません。
なので、どうしても主張を全て認めさせることは困難な場面が生じてしまうのです。
なんで私ばっかりの処方箋
お客様に「なんで私ばっかり」の症状が出た場合には、まずは、
相手もこういう点では不本意な思いをしているから、あなただけではありませんよ。
とか伝えてみるのですが、それでもご納得いただけない場合には、これを伝えてしまいます。
でも、その相手を選んで結婚したのはあなたでしょ?
これはなにも、お客様を責めているわけではありません。
いつまでも「なんで私ばっかり」と言って相手を責め続けても、事態は何も好転しません。
それよりも、今の自分の状況は過去の自分の選択の結果であるということを受け止めていただいて、未来の自分の状況を良くするために今どういう選択をするべきかを前向きに考えていただきたいのです。
これは私も大好きな考え方である原因自分論に基づいています。
原因自分論については、「悲劇のヒロインvs悲劇のヒーロー」という記事をご参照ください。
私もあなたも「なんで私ばっかり」と思ってしまうときはあると思います。
そういうときは、この現状を作ったのは私、ということに気づけると、少しは気分が晴れて前向きになれるかもしれません。