全く共感できない「離婚したくない理由」

こんにちは、リコです。

日々離婚にまつわる事件を取り扱っていると、依頼者からも、相手方からも、色々な「離婚したい理由」と「離婚したくない理由」を聞くことになります。

離婚したくない理由

相手から「離婚したい」と告げられて、簡単に「いいよ」と言える人は、そう多くはないと思います。

たいていの人は、

  • 相手の言い分に納得できない
  • まだ相手のことが好き
  • 子どものことを考えたら離婚はできない
  • 経済的に困る
  • 世間体が悪い etc.

といった理由で、すぐに離婚を受け入れることはなかなかできません。

だけど、時間の経過とともに、「離婚やむなし」という境地に至り、いずれ離婚していくわけです。

全く共感できない「離婚したくない理由」

もちろん離婚に至るまでの期間は千差万別ですが、協議や調停で決着がつかず、離婚裁判にまで発展しているケースでは、離婚したくない側の離婚したくないという気持ちが相当に強いです。

【離婚したくない】離婚訴訟の戦い方」という記事に書いたように、離婚したくない理由は、最終的には、お金か愛情に集約されると思っているのですが、最近、どちらにも分類し難い「離婚したくない理由」に遭遇する機会が増えてきました。しかもその理由というのが、個人的に1ミリも共感できないという・・・

その理由とは、

相手の人格矯正のため

というもの。

離婚したくない妻
離婚したくない妻

夫はとてもひどい人間です。こんな人が自由の身になったら犠牲者が増えるだけだから、離婚なんかできません。夫にはカウンセリングを受けて性格を矯正してもらわないといけません。

離婚したくない夫
離婚したくない夫

妻には良識や道徳心が欠けています。そんな妻に独身という自由を与えては、妻のためになりません。私との結婚生活を続けて、私を手伝うことにより、妻の人格を矯正すべきなのです。

・・・これは、お金というよりは愛情より?なのでしょうか???

離婚したい側からすれば、余計なお世話もいいところです。

また、個人的には、先ほど触れた記事でも書いたように、離婚したくないのであれば、裁判官に「仲が悪いんだな」と思われる主張をしてはいけないと思うのですが、このような主張だと、まずは相手がいかにひどい奴かということを主張することになるので、説得力が全然ないのですよね。

なので、離婚したくない側が依頼者の場合には、我ながらなんて説得力のない主張なのか・・・と思いながら準備書面を書くことになりますし、離婚したい側が依頼者の場合には、取るに足らない主張として受け止めることになります。

一応、離婚裁判の戦い方のひとつとして、

婚姻関係の破綻は認めつつも、有責配偶者からの離婚請求は認められない

と主張する戦い方があります。

具体的には、相手のひどい行為(不貞行為が典型例)によって円満な夫婦関係は破壊されたけれど、相手は破壊した責任を取らないといけないので離婚は認められない、という主張で、もちろん別居期間等の要素を考慮した上での話にはなりますが、裁判所にも受け入れられやすい主張です。

相手の人格矯正のために離婚したくない、という主張は、少しでも説得力を持たせるためには、上記の「有責配偶者からの離婚請求は認められない」という主張の枠組みに当てはめて行う必要があると思うのですが、裁判官的にはどうなんでしょうか。

不貞行為の場合には、相手に浮気されても、まだ相手のことが好き、という感情は理解できますし、外では浮気していても家では良き妻・良き夫ということも十分にあり得るので、不貞をしたから直ちに離婚すべきだ、ということにはならない気がするのですが、

人格矯正するべきだ、という主張は、主張する当の本人が、相手からひどい扱いを受けている(と感じている)ことが前提にあるので、外で浮気をした場合と同じように考えるのは難しい気がするんですよね。

いまだにこういった事例で判決にまで至った経験はないのですが、少なくとも裁判官の態度を見ていると、

裁判官
裁判官

・・・そんなにひどい相手なら、別れた方が良くない?

といった雰囲気を感じます。。。

誰のための人生なのか

そもそも相手の人格矯正のために、なぜ自分が犠牲にならないといけないのか、と思ってしまうんですよね。

相手の言動が第三者の立場から見てもひどいものなのかというのは、評価が分かれるところかと思いますが、少なくともこのような主張をする人自身は、現に相手の行為がひどい、そのせいで自分は大変辛い目に遭っていると思っているわけです。

そんなひどい相手でもまだ好き、とか、それこそ子どもやお金といった他の理由があればまだしも、少なくともこういった主張をする人々からは、恨みつらみばかりで、相手に対する愛情らしきものは感じられません。

相手の人格を矯正しないといけないという使命感?正義感?義務感?はどこから来るのでしょうね?

崇高な使命を遂行中の自分に酔っている感じなのでしょうか?

私には全くわからないですが、ただひとつ確実なのは、こういった人々の思いはとても強く、徹底的に離婚に抗うので、事件が長期化するということです。

仮に離婚を認めない判決が出たとしても、離婚したい側は相変わらず離婚したいわけですし、離婚したくない側にとってもこれまでどおりひどい相手との婚姻関係が続くだけですから、誰も得しない気がするんですけどね。。。

こう感じるのは、私がマイペースであまり他人に関心がない性格で、しかも他人は変えられないという価値観を持っているからかもしれませんが、こういった人々に遭遇すると、早く自分自身の幸せな人生のために舵を切ってほしいな、と思わずにはいられません。

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