こんにちは、リコです。
最近離婚が成立した依頼者さんが、最後の挨拶に来てくださいました。
そもそも離婚を望んでいた方ではなかったので、必ずしも満足の行く結果ではなかったかもしれませんが、決して安くはない請求書を見ても嫌な顔ひとつせず、感謝の気持ちを伝えてくださいました。
やっぱりお客様から感謝の気持ちを伝えてもらうと、とっても嬉しい気持ちになりますね。
早期解決のために欠かせないもの
私は、離婚事件を扱う際に、なるべく対立当事者に対する感謝の気持ちを持ってもらえるように、意識的に働きかけるようにしています。
当たり前ですが、離婚問題に直面している夫婦にとっては、自分たちのことが全てなので、他の夫婦がどうかなんて知ったことではありません。
ですが、多くの夫婦を見てきている我々からすると、とても恵まれていると思う人もたくさんいるわけです。
例えば、
- 相手が超高収入なおかげで多額の婚姻費用を受け取っている人
- 本来の収入から算定される婚姻費用よりも多く受け取っている人
- 相手が協力的で頻繁に面会交流ができる人
などなど。
これって、我々からすると、すごいことなんですよ。
だけど、もともとお金持ちと結婚して多額の婚姻費用を受け取っていた人からすれば、それは当たり前のことになっていますし、頻繁に面会交流ができるといっても、そもそも同居中はいつでも好きな時に子どもに会えたわけですから、当事者からすれば、感謝するどころか、「当たり前」「当然の権利」と思いがちです。
そもそも離婚問題に発展するくらいこじれた相手に対して感謝の気持ちを持つこと自体、難しいことだと思います。
鶏が先か卵が先かわかりませんが、もともと感謝の気持ちを持てなくなったからこそ離婚問題に発展したのだとも思いますし。
だけど、離婚紛争の早期解決のためには、感謝の気持ちは欠かせないと思うのです。
なぜなら、感謝の気持ちが生まれれば、少しは自分も譲ろうかな、という気持ちが生まれ、お互いに少しずつ譲り合って、和解することができるからです。
感謝の気持ちが全くなければ、お互いに譲り合うインセンティブがないので、いつまでも平行線のまま、紛争はどんどん長期化していきます。
減点方式から加点方式へ
依頼者さんの反応を見ていると、ざっくり二つのパターンに分けることができます。
減点方式の人と加点方式の人です。
減点方式の人は、同居期間中の生活を基準としていますから、その時と同水準の婚姻費用がもらえても「当たり前」、子どもとは頻繁に会えるのが「当然」で、同居期間中よりも受け取れる婚姻費用の額が減少すれば不満を抱き、子どもにも好きな時に会えないので不満を抱えます。
そうすると、その不満は相手にぶつけられることになるので、歩み寄りなんてもってのほかで、一向に話が前に進みません。
加点方式の人は、別居に至った時点で、
どうせ、婚姻費用なんて1円も払ってもらえない・・・
どうせ子どもには会わせてもらえない・・・
と、とっても後ろ向きな気持ちになっている=相手への期待値が0になっているので、意外にも相手がすんなり婚姻費用を払ってくれたり、素直に面会交流に応じてくれたりすると、
意外といい人だったんだ・・・!!
と感謝するようになるのです。
当然のことながら、減点方式の人の場合は、いつまでたっても話が進まず紛争は長期化し、そんな状況にますますイライラが募り、ギスギスしたしんどい案件になりますし、加点方式の人は、自然と譲り合い精神が生まれ、対立当事者とのやり取りも温かい雰囲気で進み、そんなに時間がかからずに終始穏やかに離婚が成立してゆきます。
・・・どっちが良いですか?
やっぱり加点方式の方が良いですよね。
離婚の協議中の場合に限らず、配偶者やパートナーとの関係性に悩んでいる人は、一度思いっきり相手に対する期待値を下げてみるのが良いのではないでしょうか。
そうすると、相手の言動に失望することもなくなりますし、自然と相手に対する感謝の気持ちも湧き上がってくると思います。
減点方式から加点方式に切り替えて、大切な人と良好な関係を保てたら良いですね。