こんにちは、リコです。
惚れた方が負け
ってよく言うじゃないですか。
惚れた方が相手に好かれるために頑張らないといけない=立場が弱い
ということですよね。
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離婚紛争におけるポジション
離婚の場面においては、
離婚したい方が負け
ということができます。
結局は交渉なので、離婚したい方が相手に離婚に応じてもらえるように頑張らないといけない=立場が弱い、というわけです。
なので、離婚協議を有利に進めるためには、なるべく自分から離婚したいと言わない方がいいということになります。
ただ、相手が全く離婚したいと思っていない場合には、自分から言いださないと、永遠に離婚できないので、自分から離婚したいと言ったり、離婚に向けた行動を起こしたりしないといけません。
このように、常にポジションとパワーバランスを意識しながら、なるべく依頼者の望む方向に向かうように話を進めて行くわけなのですが、たまに全くポジションを無視した交渉をしてくる人がいます。
ポジションを無視しまくる人々
例えば、
自分で勝手に家出して、散々離婚したいと騒いで、ようやくあと一歩のところで調停離婚が成立しそうなのに、瑣末な点についての妻の対応を責め立て、
きちんと対応しないと、調停を不成立にさせて、裁判しますよ!
とかいう夫の代理人。
いや、離婚したいのそっちなのに何言ってんの?
こっちは別に離婚したくないし、毎月高額の婚姻費用もらってるから、別に裁判になって長引いても全然構わないんだけど・・・
そんな、裁判するぞ!って脅されても、何にも脅しにならないですよね。。。
他には、
長年散々浮気しまくって、浮気相手と一緒になりたいからと離婚を切り出して、カウンターで妻から婚姻費用を請求されると、
今ちょっと大きな出費があって大変な状況なので、婚姻費用は負けてください。
財産分与も、なるべく安くなるようにしてください。
とかいう夫の代理人。
いやいや、ふざけてんの? 離婚する気ある?
そもそも浮気をした夫=離婚の原因を自分で作った人=有責配偶者なので、浮気をしていない人よりも余計に離婚が認められにくいポジションにいるわけですよ。
だから、離婚したいのであれば、人よりも余計に頑張らないといけないはずなのに、
婚姻費用も財産分与も負けろとか、なに言っちゃってるの?
という話ですよね。
ちなみに、婚姻費用は、双方の年収をベースに決められるので、大きい出費があったからって、必ずしもそれを考慮する必要はなくて、
今ちょっと手持ちがなくて・・・
とか言われても、
じゃあ安くしてもいいですよ。
なんてならないわけです。
そうであれば、離婚したい側としては、一刻も早く離婚を成立させて、離婚するまで支払い続けないといけない婚姻費用という支出を最小限に食い止めたいわけですから、少しくらい無理してでも、相手に離婚に応じてもいいと思ってもらえる条件を提示すべきではありませんか?
それなのに、財産分与も安くしろとか何言ってるんだって話です。
浮気され続けた妻からしてみれば、
高額の婚姻費用を支払い続けるか、それが嫌なら財産全部渡すくらいの男気見せなさいよ!
じゃないと私が離婚に応じるインセンティブが全くないじゃない!
ってなりますよね。
弁護士の苦悩
おそらく代理人としては、依頼者のポジションは把握していると思うのです。
だけど、依頼者がどうしてもそう主張するから、依頼者の意向に沿った形で主張せざるを得ないんだと思うんですよね。
私も、どう考えてもポジション的に不利な立場にいるのに、強気な姿勢を崩さず、その結果、相手も(する必要がないから)一切譲歩せず、議論が無限ループに陥っているお客様がいらっしゃいます。
何度も何度も、パワーバランス的に不利なポジションにいることをお伝えし、その前提で最善と思われるご提案をするのですが、なかなか受け入れてもらうのは難しいんですよね。
・・・そんなこんなで、代理人として難しい面はあるものの、交渉の際には、
ベースとなるポジションを意識しないといけないな・・・
と思う今日この頃です。