こんにちは、リコです。
世の中には、内心離婚したいと思いつつも、夫から好条件での離婚が提示されるのを今か今かと待ち望んでいる奥様が一定数いらっしゃいます。
だけど、夫の提示した好条件をゲットできる奥様とそうでない奥様がいらっしゃるようです。
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好条件とは
まず、ここでいう好条件とは、
裁判になった場合よりも良い条件
ということです。
具体的には、
- 算定表よりも高い養育費
- 2分の1よりも多い財産分与
- 200万円を大幅に上回る慰謝料
- 特に名前はついていないけど、なぜかもらえる解決金
みたいな感じでしょうか。
好条件が提示されるタイミング
夫が好条件を提示してくるのは、
早く離婚したい!!!
という気持ちが最高潮に達した時です。
具体的には、
- 不貞相手との結婚願望が高まっているとき
- 役員昇進など仕事で新たな一歩を踏み出す前に身綺麗にしたいとき
- とにかく1分1秒でも早く自由になりたいとき
などでしょうか。
好条件が提示された後
大枠ででも妻がそれを受け入れれば、細かい調整が入ることはあるものの、そのままスムーズに離婚成立まで行きます。
だけど、妻が
本当はもっといい条件が出せるはず!こんな条件じゃ全然納得できない!
という反応をした場合、たいてい次に来る夫のリアクションは、
早期離婚を諦める
というもの。
つまり、いったん大幅に条件のクオリティが下がるのです。
そりゃ当然ですよね。
夫からすれば、一刻も早く離婚したい、それができるならば、ということで、本来なら支払わなくていいような高い金額を支払う決意をしたわけです。
それを、
こんなんじゃ全然ダメ!離婚になんか応じられない!
とか言われてしまったら、すっかり意気消沈してしまいますよね。
好条件をゲットできるかどうかの分かれ目は?
これは、おそらく
好条件を好条件であると思えるかどうか
にあるようです。
つまり、我々が代理人の立場で、夫の年収とか妻が把握している夫の財産とかを基準にしてかなりの好条件だと判断しても、
本当は他にも隠し財産があるはず!
こんな金額提示するってことは、本当はもっとあるってことでしょ?
みたいに思うと、そもそも好条件を好条件と思えないので、受け入れられないんですよね。
だけど、困ったことに、「隠し財産があること」や「もっと他にも財産があること」というのは、基本的には妻の側で立証しないといけないんですよ。
夫側はそういうもの(隠し財産)が「ない」という前提で条件を提示してきているので、それでも「ある」と主張するのであれば、それが「ある」ことは妻の側で証明しなければならないのです。
もちろん、中には
この条件で呑んでくれたらラッキーだぜ。
みたいな感じで、本当に隠し財産がある人もいるとは思うのですが、自分の代理人から、
早く離婚したいんだったら、かなり良い条件提示しないと無理よ。
とか言われて、ギリギリ許容できる条件を提示してきたんだろうな、という人も多い印象です。
そうすると、妻側でいくら
隠し財産があるはず!
って言ってみても、隠し財産が出てくる可能性は低いですよね。
妻が好条件での離婚に応じない場合、紛争が長期化している間も、夫は婚姻費用を払い続けないといけないので、婚姻費用の負担を逃れるために提示した好条件をもう一度提示することにはかなりの難色を示します。
だけど、妻側は、最初に好条件を提示されているので、それが最低ラインだと思い込み、それより低い額での離婚には応じませんから、ますます紛争は長期化します。
行き着く先は、裁判で、結局妻側は、長期間婚姻費用を支払ってもらえる代わりに、最低限の財産分与と養育費しか受け取れなくなります。
もちろん、回収できた婚姻費用の額と好条件で上乗せされた金額のどちらが高いかは、後から振り返ってみないと誰にも判断できません。
だけど、長期間の紛争中は、妻も精神的に嫌な思いをいっぱいするので、
あのときあの条件で離婚に応じていれば、こんなに苦しむこともなかったのに・・・
と思うケースも少なくありません。
個人的には、結婚年数の長い夫婦であればあるほど、
夫にはもっと財産があるはず!
という思いが強い方が多い印象です。
長年の夫婦生活で積もりに積もった夫への苛立ちと不信感が、そのように思わせるのかもしれません。
本人が、それでもどうしても納得できないから戦いたい、というのであれば、長期戦でもかまわないのですが、内心では自分も早く離婚したいと思っているような場合には、夫から好条件が提示された段階で、
あなたの気持ちはわかったわ・・・離婚を受け入れます。だから、あと100万円だけ上乗せしてくれない?
とか、もうちょっとだけ頑張って、くらいにとどめておく方がいいかもしれませんね。