こんにちは、リコです。
離婚相談に来られる方で、
夫は離婚に応じてくれています。
なので、あとは条件を決めるだけなんです。
とおっしゃる方は多いです。
ですが、私、この言葉を全く信用していません。
夫は離婚に応じてくれています。
てゆーか、この言葉を信じてもろくなことがないです。
なので、この記事では、この言葉を信じても意味がない理由などについて書いていきたいと思います。
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離婚に必要な同意
大前提ですが、離婚というものは、相手の同意がないとできません。
相手の同意がなくても唯一離婚できるのは、裁判所が判決で
離婚しなさい。
と言ったときだけです。
なので、多くの場合、夫に離婚を持ちかけて、夫がOKすると、妻は安心します。
だって離婚OKって言ってくれたし!
これでやっと夫から解放される〜♪
とか思うわけです。
だけど、これ、意味ないです。
なぜかというと、離婚に必要な同意は、
離婚届を提出するその時に存在する真摯な同意
なんですよ。
通常の契約では、契約書がなくても口頭で合意が成立することが多いですが、離婚の合意というのは、それだけでは効力が発生しません。
なので、今離婚についてOKしてもらえたとしても、離婚届提出前に
やっぱり嫌だ。
と言われてしまえば、それまでなのです。
ちなみに調停や和解の場合は、お互いが離婚に同意して調停や和解が成立すれば、その瞬間に離婚の効力が発生します。
離婚にOKする夫の心理
これは完全に私の印象論ですが、妻から離婚を持ちかけられてOKする夫の心理としては、
- めんどくさいからとりあえずその場を収めるためにOKする
- とりあえず妻をおとなしくさせたいからOKする
- これ以上その話題をしたくないからOKする
という、後ろ向きかつ一時的なものであることが非常に多いです。
だから、いざ、妻から離婚届を突きつけられたり、離婚調停を起こされたりすると、妻の本気に気づいて、
離婚なんて・・・嫌だよ!!!
って話になってしまうのです。
特にモラハラ夫なんかは、内心では妻からの離婚要求を受け入れるつもりは1ミリもないのに、
わかった、わかった、離婚するよ。条件は裁判所で話し合った方がいいから離婚調停申し立てろよ。
とかなんとか言って、いざ妻が離婚調停を申し立てると、
僕たち夫婦は、こんなに仲良いんですよ?
離婚するなんて、あり得ません!!!
・・・(呆れて言葉が出てこない)
はい、調停不成立ですね。あとは裁判でどうぞ。
みたいな。ちなみにこのモデルとなったご夫婦は、結局夫が粘りに粘って、離婚話を持ち出してから離婚できるまでに5年くらいはかかっていた気がします・・・
離婚届の提出は慎重に
こういう説明をすると、
夫にはもう離婚届を書かせているんです!
なので、いますぐ離婚できるんです!!
とおっしゃる方がいるのですが、これもあまりオススメできません。
明らかに夫が離婚を拒否しているのに無理矢理離婚届を出せば、離婚は無効であるとして調停や裁判で争われることになる可能性がありますし、離婚以外の条件を決める際に不利になる恐れがあります。
なぜ離婚以外の条件を決める際に不利になる恐れがあるのかというと、離婚に応じるか否かが最大の駆け引き要素になるからです(詳しくは「離婚条件は決めてから離婚しよう」という記事をお読みください。)。
相手の離婚したい気持ちや、離婚したくない気持ちを逆手に取ってこそ、有利な条件を引き出すこともできるようになるわけです。
実際には、離婚無効まで争われるケースはあまり見かけないので、個人的に心配なのは、後者の方です。
とにかく夫と離婚したいんです。お金は一銭もいりません。
という人であれば、離婚だけ先に成立させるのもありですが、口ではそう言っていても、実際に心の底からそう思っている人は少ないです。
そんなにあてにはしてないけど、養育費くらい・・・払ってもらって当然でしょ?
とか思うくらいであれば、やはり条件を決めずに離婚届を出してしまうことはやめましょう。
多少時間がかかっても、きっちり離婚条件を決めてから離婚を成立させることをオススメします。
まとめ
ずっと離婚しようかどうかモヤモヤしていて、やっと切り出せた離婚話にOKが出たら、
やったあ!!
と浮かれてしまうこともあるかもしれません。
ですが、この時点でいくら言質を取ったとしても、離婚届を提出するそのときに同意してもらえなければ、離婚はできません。
協議段階での同意それ自体に意味はないので、早々に別居したり離婚協議書の作成を進めたりといった具体的な作業を進めましょう。
こうした作業も同時並行で進めていれば、途中で夫が翻意したとしても、離婚に向けて淡々と進めていけばいいだけですから。