こんにちは、リコです。
みなさんは、例えば500万円もらえるとして、今すぐにもらうのと、毎月50万円を10か月受け取るのと、毎月10万円を50か月受け取るのと、どれがいいですか?
人によって感じ方は様々かもしれませんが、離婚協議ではこの辺りがよく問題になります。
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離婚時に問題になるお金
離婚条件として決める必要のあるお金というのは、これくらいです。
- 養育費
- 財産分与
- 慰謝料
一括払いのもの
基本的に、財産分与と慰謝料は、一括払いが想定されています。
もちろん、当事者間の話し合いで、分割払いで合意すれば、分割払いになりますが、裁判所が判決を下す際には、一括で支払え、という形で判断がなされます。
ちなみに、
一括払いなんて無理です!手持ちの現金がありません!
なんていう訴えは基本無視されます。
家売るか、お金借りればよくない?
って言われるのがオチです。裁判所は、その後のあなたの生活なんて知ったこっちゃありません(言い過ぎ?でも実際そう言ってた。)。
一括払いが嫌なら、絶対にどこかの段階で話し合いには応じましょう。
分割払いのもの
養育費は、毎月子どもにかかる費用なので、分割というか、毎月いくら、という形で取り決められるのが一般的です。
もちろん、当事者間の話し合いで、一括払いで合意すれば、一括払いになりますが、裁判所が判決を下す際には、毎月いくら支払え、という形で判断がなされます。
一括払いにすると、受け取った側にちょっとびっくりするくらい高い贈与税がかかります。それでもいいならいいですが、そうじゃなければ、養育費を一括でもらうのはやめた方がいいでしょう。
離婚条件を決める際に陥りがちな心理
上記のとおり、離婚条件については、ざっくり
毎月◯万円(+期間)
を決めることになります。
子どもがいる場合には、毎月払いは養育費ということになりますが、子どもがいない場合でも、今後安定した収入がなくなるのは困るからという理由や、支払う側が一度には払えないという理由で、財産分与の全部や一部を毎月の分割払いにすることがあります。
生活費の代わりとして毎月支払われる財産分与は、扶養的財産分与と呼ばれます。
そんなわけで、一時金と毎月払い、どちらをどれだけ増やせるか、どちらをどれだけ減らせるかを双方で検討しながら、最終的に両者が納得できる落とし所を探っていくことになるんですね。
支払う側の心理
お金を支払う側としては、一時金はその時頑張るだけでいいけれど、毎月払いは長期間にわたって支払い続けなければならない固定費になるわけですから、値上げのハードルは、当然毎月払いの方が高くなりますよね。
家賃の他にも毎月10万円払い続けるのはキツイ・・・
せめて毎月7万円くらいなら・・・
受け取る側の心理
だけど、受け取る側としては、やはり今後の生活の安定が第一なので、一括払いよりも毎月払いの方を値上げしたがるんですよ。
子どももまだまだ小さいし、色々とお金がかかるので、毎月15万円は必要です!
子どもがいる場合、養育費は双方の年収をもとに算定表で計算されることがほとんどですが、受け取る側は、算定表の金額から少しでも値上げしたがります。
子どもがいない場合や既に成人している場合で、財産分与を分割払いにするケースでは、財産分与の総額を決めてから、どのような形で分割払いをするのかを決めるのが一般的かと思いますが、今後の生活の足しにしようと思うと、なるべく平準化して、毎月の金額を増やしたくなります。
なるべく一括の方向で!
ですが、声を大にして言います!
なるべく一括の方がいいです!
離婚時に取れるだけ取っちゃいましょう!
なぜかって?
未来は誰にもわからないからですよ。
養育費の場合
養育費は、事情の変更があれば、いつでも何度でも決め直すことができます。
事情の変更の具体例としては、
- 収入が激増/激減した
- リストラされた
- 再婚して子どもができた
- 子どもが15歳になった・・・etc.
といったことが想定されています。
子どもが15歳になると、算定表のもとになっている計算式における数値が変わるので、養育費の金額が上がるようになっています。もっとも他に事情の変更がない場合に、単に15歳になったというだけで裁判所が増額を認めることはほとんどないようです。
なので、せっかく離婚協議の際に高額の養育費を決めたとしても、あとあと金額が低くなる可能性があるのです。
もちろん、養育費を決め直す場合には、その時点のあらゆる事情が考慮されることになるため、簡単に増額/減額できるとは限らないのですが、その可能性がある以上、
養育費を月額15万円にしてくれたら、一時金は0円でもいいです。
みたいな決め方はやめた方がいいと思います。
それよりは、
養育費は月額7万円でいいので、(差額8万円✖️12か月✖️5年分として)一時金に480万円上乗せしてください!
みたいな方向を目指しましょう。
前述した支払う側の心理からしても、一時金を増やす方がハードルは低いと思いますので、養育費の増額にこだわり続けるよりも、落とし所が見つかりやすいです。
養育費以外の場合
財産分与でも慰謝料でも解決金でも、名称はなんでもいいんですけど、やはり基本は一括受取りを目指しましょう。
養育費と異なり、一度決めたら何度も決め直せるというものではありませんが、支払う側が破産した場合には、支払義務がなくなってしまう可能性があります(養育費は、破産しても支払義務はなくなりません。)。
また、養育費の場合でも同じことですが、相手が支払わないまま行方をくらましてしまったりして、事実上回収できなくなる可能性は常に付きまといますよね。
なので、基本的には、
一括で。
一括なんて、無理だよ。
借りればいいでしょ。一括で。
いやいや、無理だって。借りれないよ。
じゃあ今いくらまでなら支払えるの。
300万円が限界だよ・・・
じゃあ一時金は300万円で。残額は、なるべく短期間の分割払いで。
みたいな形で話を持って行って、なるべく短期間に総額を回収できるような方向を目指すのがいいと思います。
まとめ
そんなわけで、人は将来への不安からついつい長期にわたる安定的な支払を求めがちです。
ですが、その場合、常に回収できなくなる可能性が付きまといますので、なるべく早い段階で、もらえるものはもらっておきましょう!
そしてスッキリした気分で新たな生活をスタートさせましょう!