こんにちは、リコです。
離婚相談を受けていると、
離婚したいけど、何をどうしたらいいのかわからない・・・!
という方が多くいらっしゃいます。
そこで、この記事では、特に入念な準備が必要となるモラハラ夫との離婚を念頭において、離婚を決意したら準備すべきことについて書いていきたいと思います。
離婚を決意した場合、まずは別居をしていただくことがスタートになるのですが、ここでは同居中にしていただきたいことを書きます。
モラハラ夫との離婚を決意したら、まず準備していただきたいのは、以下の3点です。
- 別居後の生活の見通しを立てる
- お金の在りかを把握する
- モラハラの証拠を押さえる
それぞれ解説していきますね。
Table of Contents
1 別居後の見通しを立てる
まず最初に必要となるのは、別居しても生活していけるための準備です。
モラハラ夫は、自分から妻を捨てるならともかく、妻から自分を捨てる(=離婚を突き付ける)なんてことは絶対に許しません。
そのため、離婚要求には徹底抗戦しますので、離婚が成立するまでには長期戦を覚悟しなければなりません。
さらに、通常であれば、夫の年収が妻より高い場合には、別居から離婚が成立するまでの間、婚姻費用という名の生活費を受け取ることができるはずなのですが、
モラハラ夫は、あらゆる屁理屈を捏ねて、婚姻費用の支払を拒否します。
そのため、調停や審判といった手続によって婚姻費用の額が確定し、支払わないと給料差し押さえるぞ、というところまで追い込まないと支払が期待できませんので、別居後数カ月は、夫からの生活費がなくても生活できる状況にしておく必要があるのです。
中には、婚姻費用を支払いたくないが故に突然早期退職したり転職して給料を下げたりして、合法的に支払を拒否する人もいます。
最悪、あなたの方が収入が高い状況を作って、あなたに婚姻費用の支払を要求する人もいます。
もっとも、内心では離婚したくないので、あなたの給料を差し押さえるようなことまではしてきません。
このような場合には、そもそも別居後に生活費を受け取ること自体あきらめる必要が出てきます。
モラハラ夫の妻は、専業主婦であることも多く、よっぽど実家が裕福でない限り、すぐに別居することは経済的に困難な場合が多いです。
そこで、まずは仕事を始めたり、資格を取得したりするなどして、モラハラ夫の経済的支配から脱出し、別居後も生活できる状態に持っていくことが必要不可欠となるのです。
2 お金の在りかを把握する
モラハラ夫は、経済的にも妻を支配したい欲求が強いため、妻には最低限のお金しか渡さず、自身の収入の全容を妻に明かさない人が多いです。
そのため、いざ離婚しようとしても、はたして夫にはいくら財産があるのか、自分はどのくらい財産分与してもらえるのか、ということがわからない場合が多いのです。
そこで、同居中にやっていただきたいことの2つめは、
なんとなくでいいから、夫の財産がありそうなところを把握する
ということです。
ポイントはなんとなくでいいということです。
どういうことかというと、訴訟に至った場合(場合によっては調停段階でも)、調査嘱託という制度が利用できるので、具体的に預金残高がいくらであるとか、具体的な生命保険の内容とか、そういったことまで把握できなくても大丈夫ということです。
調査嘱託とは、当事者の申立てに応じて、裁判所が金融機関や保険会社等に対して相手方当事者の具体的な財産状況を開示させることができる制度です。
ただし、「当事者の申立てに応じて」する必要があるため、なんとなくここにありそう、ということまでは把握しておく必要があるのです。
なので、
- 夫は勤務先はあの会社
- 夫の給料が振り込まれるのはあの銀行のあの支店の口座
- 夫はあの銀行のあの支店に口座を持っている
- 夫はあの証券会社で株取引をしているっぽい
- 夫はあの保険会社の保険に入っているっぽい
といったようなふわっとしたことでいいので、把握するよう努めましょう。
最近ではインターネットの普及で数は減ってしまいましたが、夫宛に来る郵便物の中に金融機関や保険会社などのものがあれば、写メっておくようにしましょう。
3 モラハラの証拠を押さえる
意外と難しいのがこれです。
繰り返しお伝えしていますが、モラハラ夫は離婚要求には徹底抗戦しますので、協議や調停といった話合いで決着がつくことはあまりなく、たいていの場合は離婚訴訟に発展します。
そして、離婚訴訟では、第三者である裁判所が、あなたの離婚したいという要求に合理的な理由があるのかを判断することになります。
そのため、あなたの方でモラハラの証拠を提出する必要があるのです。
一応それなりに別居期間が長ければ、離婚請求は認められるということにはなっているのですが、やはりそれなりに証拠があった方が、短期間の別居でも離婚請求は認められやすいという印象です。
逆にいうと、それなりに別居期間が長くても、例えば「いびきがうるさい」とか「寝相が悪いのが嫌」といった程度の理由では、なかなか離婚は認められません。
モラハラの証拠といっても、不貞行為と違って何をどの程度押さえておけばいいのか、難しいですよね。
特にモラハラ夫は、暴力を振るっても後を残さないようにするとか、敢えて証拠が残らないように陰湿に振る舞うことが多いので、証拠集めが難しい場合が多いです。
裁判官の反応を見る限り、受けが良いと感じるのは、例えば、
- モラハラ夫のせいで鬱っぽくなって受診した心療内科の診断書やカルテ
- モラハラ夫に悩んで相談に行った心理カウンセラーの相談内容が記載された用紙
- モラハラ夫の子どもに対する言動に悩んで相談に行った児童相談所の相談内容が記載された用紙
など、第三者が夫のモラハラについて言及した内容の書類です。
裁判所は客観性の高い証拠ほど重視するので、このような書類があると安心してモラハラを認定できるのです。
もっとも、客観性が高いからといって、夫の暴言を録音しようとしたりするのは、あまりオススメできません。
夫に内緒で録音してたことが見つかった場合の危険性が高いですし(逆上して何するかわからない)、そもそも1回や2回程度の録音では、裁判所としても夫の暴言が日々行われていたものなのか、たまたま大喧嘩になって逆上して言ってしまったものなのか、判断できないですよね。だからといって、毎日録音するのも現実的ではないと思います。
なので、第三者の書類を用意することが難しい場合には、例えば、
- 親や信頼できる友人にメール等でモラハラについて相談し、そのメールのやり取りを保存しておく
- モラハラの内容を日記に残す
といったことでも十分だと思います。
ポイントは、モラハラがあったその当時に記録を残しておくということです。
離婚訴訟になった後で「あの時こういうことがありました」と言うよりも、当時の記録の方が信用性が高いからです。
まとめ
モラハラ夫との離婚は、非モラハラ夫との離婚に比べて相当難易度が高いです。
ですが、覚悟を決めて前進していけば、必ず離婚できます。
その戦いを少しでも有利に進めるために、離婚を決意したのであれば、まずは、
- 別居後の生活の見通しを立てる
- お金の在りかを把握する
- モラハラの証拠を押さえる
ということを実践してみてください。
明るい未来が待っています!