こんにちは、リコです。
私が尊敬するリベラルアーツ大学の両学長が、最近こんな動画を公開されました。
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動画内容の紹介
こちらの動画では、両学長が、与沢翼さんという方の『お金の真理』(宝島社)という書籍に
年収1000万円の人でも「本当の年収」は336万円
与沢翼『お金の真理』(宝島社)
という記載があることを紹介した上で、
- あなたの本当の年収
- 年収ではなく「利益」を伸ばすべき理由
について紹介しています。
本当の年収とは
動画の内容をもう少し詳しくご紹介します。
一般的に、「年収」というのは税込なので、その全額を自由に使える訳ではありません。
例えば、年収1000万円の人の場合、ざっくり
- 健康保険料 40万円
- 厚生年金 90万円
- 雇用保険 10万円
ということで、社会保険料だけで140万円も引かれることになります。
さらに、
- 所得税 60万円
- 住民税 40万円
ということで、税金だけで100万円も引かれることになります。
つまり、この時点で自由に使えるのは760万円です。
さらに言うと、人は生きていくためにどうしてもお金がかかります。
例えば、3人家族で、毎月
- 住宅費 15万円
- 食費 10万円
- 水道光熱費 5万円
- 保険料 5万円
- 車関係 5万円
- 夫婦の小遣い 5万円
- 教育費 5万円
かかるとすると、月50万円、年間600万円の生活コストがかかります。
そうすると、手取り年収760万円から600万円を引いた160万円が、この人の本当の年収ということになるのです。
つまり、年収がいくら高くても、この「本当の年収」が低ければ、資本主義社会を生き抜けない、ということです。
以前、母が父に対して、
パパはすぐ額面金額の話をするんだから!手取りはもっと少ないんだから、額面の話しても意味ないでしょ!
と、よく言っていたのですが、今にして思うと、母はマネーリテラシーが高かったんですね。
婚姻費用と養育費のインパクト
ということで、いくら年収が高くても、多額の税金は引かれるし、年収が高ければ高いほど生活コストも高額になりがちだし、意外と「本当の年収」=利益は少ないんですよね。
そして、人によって生活コストは異なるので、年収が同じでも「本当の年収」は人によって異なってきます。
ですが、離婚に際して支払うべき婚姻費用と養育費については、基本的に年収ベースで算定するので、年収が同じなら同じ金額になるんですよ。
高額所得者や事業所得者の場合はある程度細かく計算されることが多いのですが、給与所得者の場合には、一律税込年収を基準に算定されます。
先生、私の年収は税金ですごく引かれるんですよ?それなのに、額面金額で算定されちゃうんですか?
そうなんですよー。源泉徴収票の一番左上の数字、一番大きな金額を基準に算定されるんです。
マジですか。。。
みたいな。
先ほどの、3人家族の場合、妻が子どもを連れて出て行ってしまったとすると、夫は離婚が成立するまで、だいたい月20万円、年間240万円の婚姻費用を支払う必要があります(妻の年収100万円程度の場合。養育費はだいたい月11万円くらい。)。
・・・夫の「本当の年収」は160万円なのに、支払わないといけない婚姻費用は240万円・・・完全に赤字です。
実際には、妻と子どもが出て行った分、生活コストは下がるでしょうが、それでも年間240万円も下げるのは大変だと思います。
しかも、このお金は、調停や審判で決められた場合には、強制執行が可能なので、支払わなければ、給料を差し押さえられて、勤務先から直接妻に支払われる形になります。
なので、夫からすると、社会保険料や税金と同じようなものですよね。
つまり、夫は、
1000万円ー(社会保険料140万円+税金100万円+婚姻費用240万円)=520万円
の中で、全てやり繰りしないといけないのです。
年収520万円でも十分高いじゃん、と思う方もいるかもしれませんが、額面1000万円の実態がこれかと思うと、なかなか切ないですよね。。。
他方で、妻の方は、無税で丸々240万円を毎月受け取れるわけです。
・・・いつまでも結婚にしがみついて、なかなか離婚に応じられないのもわかりますね。
まとめ
婚姻費用や養育費は、税込年収を基準に決められますので、あなたの家計に想像以上のインパクトを与えることがあります。
税金や社会保険料と同じものだと割り切って、生活コストを下げて本当の年収を増やす努力をしましょう。
時には、早期に離婚を成立させて、婚姻費用分のコストを下げるために、男気溢れる離婚条件を提示する(つまり、妻に多額のお金を支払う)ことも必要かもしれません。