こんにちは、リコです。
この記事では、
早く離婚したいんだけど、家は絶対手放したくないのよね。
まだ住宅ローンも残っているし、どうしたらいいのかしら。
という方を対象に、離婚に向けて取るべき行動について書いていこうと思います。
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この記事の対象者
この記事で対象にしているのは、以下のようなケースです。
- 結婚後にマイホームを購入
- 住宅ローンは夫の単独名義
- 妻が離婚したいと思っている。
- 妻は家が欲しい。
別居前に妻が取るべき行動
この場合は、夫が出て行ってくれるようにひたすら念じながら、待ちましょう(苦笑)
弁護士に夫を追い出す方法とか聞かないでくださいね。
家を出て行こうが、出て行くまいが、家がふたりの財産であることは変わらないので、一応、別居した後でも離婚条件を決める際に家を取り戻すことは、できないわけではありません。
ですが、離婚条件を決める際には、住み続けている方がその家を取得するのが通常なので、どうしても絶対に何が何でも家を死守したい場合には、やはり自分から出て行くことは得策ではありません。
もっとも、一度自分から家を出てしまえば、再びその家に戻りたいという気持ちは薄れて行く場合が多いです。
なので、最終的には、離婚することと家を維持することのどちらを優先するのか、という問題になります。
相手を追い出すことはできないので、下手すると、こうなります。
人によっては、数年間の膠着状態を経て、
もう家なんかいらないわ。それより早く離婚したい。
となることもあります。
別居後に妻が取るべき行動
別居後に妻がするべきことは、まずは、夫からの出て行けという圧力に耐えることです。
うまい具合に夫が家を出て行ってくれて、家に住み続けたまま離婚へのスタートを切れたとしても、妻には苦難が襲いかかります。
それは、夫からの出て行けという脅しです。
別居した夫には、
- 住宅ローンの返済
- 婚姻費用の支払
- 自分が住む部屋の賃料
の三重苦が襲いかかります。
妻子が住んでいるのが賃貸物件であれば、賃料は全額婚姻費用としてカウントされるのですが(賃料が婚姻費用と同額以上であれば、賃料の他に婚姻費用を支払う必要はありません。)、住宅ローンの支払には夫自身の財産取得のための支払という側面があるため、その大部分は婚姻費用の支払とはみなされないのです。
夫としては、一刻も早く家を売却するなどして三重苦生活から逃れたいので、
早く出て行かないと、勝手に売却してやるからな。
住宅ローンの支払止めてやるからな。そのうち追い出されるぞ。
などと言って、妻に家から出て行くように圧力をかけるのです。
実際には、勝手に売却しようとしても人が住んだままの状態ではなかなか買い手も見つかりませんし、住宅ローンの支払を止めれば夫の信用情報に傷がつくので、強行手段に及ぶ人はそんなに多くはない印象です。
でも勝手に売却するのも支払を止めるのもやろうと思えば可能ですし、失うものの何もなくなった夫は絶対にそうしないとは言い切れません。
そのため、妻たちはかなり大きな精神的不安と戦いながら、どうすれば家を死守できるかを必死に模索することになります。
この場合、私だったらやるかな、という対策は次の3つ。
対策1:早めに弁護士に依頼する
まずは、早めに弁護士に依頼しましょう!
いや、自分たちのビジネスのために言ってるわけじゃないですよ?💦
弁護士を間に入れれば、直接夫からの脅しを受ける必要はなくなりますし、夫も弁護士が入ることによって、知識のない妻を脅しで言いくるめるようなことはしにくくなります。
さらに、妻が弁護士をつければ夫も弁護士をつける可能性が高くなりますし、夫も早く三重苦から解放されたいはずなので、離婚協議が加速して決着までの時間短縮が見込めます。
相手に弁護士がつく利点については、「【離婚事件】相手の代理人弁護士は敵じゃない」という記事をご参照ください。
対策2:金策
家を残したいなら、お金は必須です。金策しましょう!
協議や調停で話がまとまらず、最終的に裁判で判断される場合には、家が欲しければ、
(離婚時の家の時価ー別居時の住宅ローン残高)➗2➕別居後に夫が支払った住宅ローンの額➕離婚時の住宅ローン残高
を妻が負担する必要があります。
もちろん、中には、家はあげるし、自分が残ローンも支払い続けるから離婚してくれ!っていう夫もいますけどね。
例えば、
家の時価:4000万円
住宅ローン残高:別居時が2800万円、離婚時が2400万円
というケースの場合(その他の財産については割愛します。)、妻が家の取得を主張すれば、
妻は夫に(4000万円ー2800万円)÷2+(2800万円ー2400万円)=1000万円支払え。残りの住宅ローン2400万円は妻の負担ね。
みたいな判断になるわけです。
住宅ローンについてまで判決で言及することはない気がしますが・・・
・・・なかなか厳しくないですか?
裁判まで行くとこういう結果になることが予想されるので、それまでの間に、
- 自分の預貯金や親からの援助等でなんとかならないか
- 住宅ローンの借り換えが可能か
- 夫のマイホーム以外の資産状況はどうか(マイホーム以外の財産が多ければ、マイホームを取得する代わりに妻が夫にお金を支払う必要はない)
などを検討して、なんとか自分が負担できる範囲の離婚条件でマイホームを取得できないかを相手と交渉するわけです。
ローンの借り換えは無理だけど、お父さんが2400万円出してくれるかも!
1000万円夫に支払うのは厳しいけど、彼だって他にも預貯金あるはずだから、それを開示しなくていいよっていう代わりに、1000万円支払わなくていいよって言ってくれないかな?例えば養育費の金額を算定表の金額よりも低めに設定するという条件で応じてくれないかな?
今の私の年収なら残ローンの借り換えは可能だわ。
夫は家以外にも、持ってる株がめちゃくちゃ値上がりしてるはずだから、今なら1000万円支払わずに家を分与してもらえるはずだわ。株価が下落しないうちに離婚成立させなくちゃ!
みたいなイメージですね。
住宅ローンの借り換えが可能かどうかは、金融機関に相談してみましょう。
ローンの借り換えの審査はかなり厳しいようで、複数の金融機関に問い合わせてもダメだったという声も聞こえてきます。
借り換えが難しそうであれば、両親を頼れないかなど、一括返済の方法を検討してみましょう。
対策3:夫の弱みを握る
できれば、これは同居中にしておいた方が良いことではありますが、夫の弱みを握りましょう!
例えば、
- 夫から暴力を受けて病院に行った際の診断書の取得
- 夫の不倫現場を押さえる
といったことです。
離婚の原因を夫が作ったという客観的証拠があれば、慰謝料請求が可能になりますし(家の取得に係るお金と相殺できる)、夫は妻が応じない限り離婚が難しくなるので、早く三重苦から逃れたいばかりに妻に有利な条件で離婚に応じやすくなります。
結果的に、妻はあんまり夫にお金を支払わずに家を取得しやすくなるわけです。
最終的には全て協議次第
色々と書いてみましたが、最終的には、お互いが納得すればその条件で離婚が成立することになりますので、
- 妻が夫名義の住宅ローンを一括返済
- 妻が夫名義の住宅ローンを借り換え
- 妻が夫名義のまま事実上住宅ローンを負担
- 夫が妻が住むマイホームの住宅ローンを支払い続ける
いずれのパターンもあり得ます。
また、どうしても住宅を残す方向で条件の折り合いがつかない場合には、結局売却するということもあり得ます。
夫が住宅ローンを払い続けてくれたらラッキーかもしれませんが、それでもいつ支払が止まるとも限らないので、精神的にはそれほど安定した生活は得られない気もします。
夫が支払えなくなった場合については、「【離婚後】約束の効力」という記事をご参照ください。
まとめ
あなたが家に住み続けたいのなら、忍耐力が必要です。
まずは、夫が出て行ってくれるまで待ちましょう。
出て行ってくれたなら、夫からの出て行けという脅しに耐えながら、
- なるべく早めに弁護士に依頼して、
- 金策しつつ、
- 夫の弱みを握り、
なるべく有利に交渉できるようにしましょう。