こんにちは、リコです。
みなさんは、産前・産後は離婚が多いという事実をご存知でしょうか。
産後クライシスという言葉も浸透してきていますし、ご存知の方も多いと思いますが、私は離婚事件を扱うようになるまで、この事実を知りませんでした。
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幸せそうに見えるけど・・・
妊婦さんを見かけたり、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしているお母さんを見かけたりすると、
幸せそうだなあ
としか思わず、産前・産後の夫婦というのは幸せ絶頂期だと思っていました。
もちろん、マタニティブルーとか産後うつといった言葉は知っていましたし、実際に大変なことは多いんだろうなあということは想像できましたが、それをはるかに凌ぐ幸福感で満たされているものだと思っていたのです。
だけど実際は・・・
私が幸せの絶頂だろうと思っているその時期に離婚相談に来られる方のなんと多いことでしょう。
- 里帰り出産⇨出産後も夫のもとへ帰るのを拒否⇨離婚
- 妊娠中の夫の暴力⇨離婚
- 妊娠中の夫の不貞⇨離婚
- 産後うつ⇨離婚
- 産後の夫の不貞⇨離婚
など枚挙にいとまがありません。
特にカオスだなあと思うのが、
妊娠中の夫の不貞⇨不貞相手妊娠⇨妻出産⇨不貞相手出産⇨???
といった事態です。離婚に至ったり至らなかったり、慰謝料請求で揉めたり、認知するしないで揉めたり、側で見ていても頭がクラクラしそうな状況に、当事者である妻の心労はいかほどかと思います。
複雑な心境
産後クライシスの原因は、ホルモンバランスの変化など色々とあるようですが、単純化してしまうと、これまでは夫へ向けられていた妻の関心がほぼ全て子どもと妻自身に向かうようになるということに集約できるのかな、などと思っています。
楽しみにしていた我が子に全く会えないお父さんや、小さな赤ちゃんを抱えて夫の不貞についてご相談に来られるお母さんを見ると、とても切なくなります。
私は離婚弁護士なので、離婚事件でお金をいただいているわけですが、産前・産後の時期にご相談に来られる方が、ひとりでも減ったらいいのになと思います。
もちろんこの時期に限らず、離婚は減った方がいいような気もしますが、この時期について特にそう思うのは、やはり衝動的なものなのではないか、と思われるケースが少なくないからです。
個人的には、結婚と同様、離婚についても幸せになるためにするものだと思っています。
なので、幸せに向かって主体的に離婚を選択されている方は積極的に応援したくなります。
ですが、産前産後離婚の場合には、妊娠・出産という大きな出来事が与える影響によって、一時的衝動的に行動に出てしまったんじゃないのかな、と感じることが多いです。
衝動的に離婚しようとしているのでは?というのが自分の依頼者である場合には、本当にこのまま離婚を選択してよいのか、産後の一時的な衝動なのではないかといったことを考えてもらうこともできるのでまだいいのですが(その結果、離婚を踏みとどまる方もいます。)、相手がそうであるように感じられる場合は非常にもどかしいです。
このふたり、復縁すればいいのに!
と思いながら、仕事をしていることも少なくありません。
数年前の私のように、単純に結婚して赤ちゃんができればみんな幸せになれると思ってた!という方には、産前産後は状況的に離婚に向かいやすいということを知っていただき、その時期をうまく乗り切っていってほしいなと思います。