我慢強さが仇になる?〜数年前の不倫〜

こんにちは、リコです。

一度された浮気の恨みは、なかなか晴れないですよね。

でもそれを持ち続けていても、あんまり報われないのです。

この記事では、そのあたりを書いてみようと思います。

数年前の不倫

日々離婚相談を受けていると、色々と離婚したい理由を聞くわけですよ。

そんな中でやはり多いのが、夫の浮気

まあ別にそれはいいんですよ。

だって不貞行為はれっきとした法定の離婚原因ですから。

私

「配偶者に不貞な行為があったとき」は離婚の訴えが提起できるとされています(民法770条1項1号)。

ただ、困るのが、こんな場合。

妻

夫は不倫してたんですよ!許せません!!

私

それは大変でしたね。いつ頃のことですか?

妻

10年前です!!

私

え・・・10年???

10年間、ずっと不倫してるんですか?

妻

いえ、10年前に別れさせたので!それ以降の不倫は確認していません。

私

えー。。。

・・・どうですか、これ?とりあえず、

ずいぶん古い話だなぁ・・・

って思いません?

中には、

妻

30年前の話です。

って人もいたりして。

数年前の不倫の位置付け

いや、これ、わかるんですよ?

夫の不倫を見つけたとしても、

妻

みんなに祝福され結婚したばかりだし・・・

妻

子どもだってまだ小さいし、今離婚したらどうやって生活していくの?

妻

子どものためにも今の環境を壊したくない

・・・などなど色々考えて、離婚しないという選択をする人はとてもたくさんいます。

その選択自体が間違っているなどということは全くありません。

ただ、問題なのは、一度そういう選択をして、不貞発覚後もこれまでどおりの生活を続けていたとなると、数年後に

妻

夫は昔不貞行為をしていたんです!!

と主張したとしても、

裁判官
裁判官

でもあなた、不貞行為の後もずっと夫と同居生活続けてたんでしょ?ってことは、その不貞はもう許したってことだよね?だから、夫の不貞は離婚原因として評価できないよね。

って判断されちゃうことなんですよ。

つまり、数年前の不倫は、数年後の離婚裁判においては離婚原因として評価されない、ということなんですね。

私

離婚裁判は夫婦間のあらゆる事情を考慮して判断がなされるので、もちろん数年前の離婚も一つの事情として考慮されるとは思いますが、決定的な離婚原因としては扱われない、ということですね。

しかもこれ、現在の離婚騒動の原因が自分の不貞とかだったら、目も当てられませんよね。。

妻

あの時あんたが不倫したから、私だって不倫してやったのよ!お互い様でしょ!!

とか言ってみたところで、

裁判官
裁判官

夫の不貞はもう昔のことだしね。夫が不貞したから自分もしていいってわけじゃないし。今回の離婚騒動はあなたの不貞が原因だから、離婚しちゃダメ!

とか言われてしまったりして・・・

離婚原因が自分にある=有責配偶者になってしまうといかにコスパが悪いかは、「不倫するのちょっと待って!」という記事でご確認ください。

数年前の不倫は立証も困難

それに、数年前の不倫だと、証拠が残っていることも少ないので、そもそも数年前に不倫があったことの立証自体困難なことも多いです。

妻

当時はたくさん証拠取ってたんですけど、携帯を変えた際にデータを紛失してしまいました。

とかね。

夫の方だって、もうとっくに許されていると思っているわけですから、

妻

あんた、あの頃不倫してたでしょ!!

とか言われたって、

夫

なんのこと?そんな昔のこと忘れたよ・・・

とか、すっとぼけるに決まってますよね・・・

私

まあ、立証できたところでね…って話なんですが。

夫の不倫を発見したら

諸々の状況を考えて、離婚をしない、という選択をするのであれば、数年後に今回の不倫の件を持ち出さない、という覚悟をしましょう。

妻

許さない!今は状況的に無理だけど、いずれ絶対離婚してやる!

と思うのであれば、同居の継続はあまりおすすめしません。

いざ時期がきて、離婚してやる!と思ったとしても、その時点で同居期間が長ければ長いほど、離婚に必要な別居期間も長くなってしまうからです。

それであれば、不倫発覚の時点で別居して、その後長期間にわたって婚姻費用を受け取りながら離婚の準備をする方が、まだ効率はいいと思います。

私

だけど、長期間同居を継続すれば、別居に必要な期間が長期化するともいえるし、財産分与の対象財産が増える=離婚時にもらえるお金が増える可能性もあるし、1つの要素のみで有利不利を判断することはできないですね。

夫の不倫を知った際に考えるべきことについては、「夫の不貞を知ってしまったら」という記事でまとめていますので、一度冷静に将来を見据えて、採るべき選択肢を検討しましょう。

私

あなたの選択を応援します!

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