慰謝料に期待するべからず

こんにちは、リコです。

今日は、離婚相談において毎回といっていいほどよく聞かれる質問について回答しようと思います。

よくある質問

よく聞かれるのは、こんな質問です。

相談者
相談者

私、毎日夫からひどいこと言われてるんです・・・本当に辛くて・・・だから、慰謝料取れますよね?

相談者
相談者

夫の態度にはうちの家族もすごく怒ってて、絶対に慰謝料を取れと言われてるんです。慰謝料、取れますよね?

相談者
相談者

私、こんなにひどい目に遭ってるんですから、慰謝料もらわないとやってられません!慰謝料、取れますよね?

そうです、みなさんの質問をまとめると、

相談者
相談者

私、慰謝料もらえますか?

と、こうなるわけですね。

私の回答

これに対する私の回答は、

私

多分無理だから、期待しないで。

相談者
相談者

・・・そ、そんな!

・・・みたいな(苦笑)

いや、だって、無理なものは無理なんですもの。

慰謝料は主戦場じゃない

ご存じの方も多いと思いますが、慰謝料の相場って、ものすごく低いんですよ。

配偶者が不貞行為をした場合で、かつそれが原因で離婚することになったような場合でも、200万円行けば御の字という感じ。

私

もちろん事案によっては250万円とか300万円とか行くこともありますが、滅多にないという印象ですね。

不貞行為があった場合でも、多くは100万円から150万円程度で、不貞行為の態様や証拠の程度によっては、数十万円にしかならないこともよくあります。

法定の離婚原因である不貞行為ですら、この程度の金額なんですよ。

私

法定の離婚原因というのは、「配偶者が不貞行為をしたら、離婚していいよ」ってきちんと民法に定められているということです。つまり、不貞行為は、夫婦間でやっちゃいけないことの最上位に位置している、というわけですね。

そうであれば、暴言・暴力、モラハラや価値観の不一致による精神的苦痛の評価なんて、推して知るべしって感じですよね。

もちろん、暴力によってひどい怪我をしたとか、裁判所によってもそれなりの慰謝料が認められるケースというのはあると思います。

だけど、実際には、離婚協議の過程で慰謝料が重要な争点になることはあんまりないです。

だって、財産分与とかの方がよっぽど金額が大きいから。

・・・そうなんですよ、冒頭の質問をしてくる相談者さまの中には、きちんと分ければ数千万円の財産分与が見込める人とか、双方の収入状況からすれば毎月20万円以上婚姻費用を受け取れるはずなのに婚姻費用の請求をしていない人とかがいらっしゃるんですよ。

私

もらえたとしても100万円前後の可能性が高い慰謝料のことを気にするよりも、しっかり財産分与を請求して、数千万円もらった方がよくないですか?

特に、婚姻費用は、基本的に請求をしたときからしかもらえない(別居時まで遡って支払ってもらうことが難しい)ので、婚姻費用を受け取っていない人に対しては、

私

え、婚姻費用請求してないんですか?いやいや、慰謝料云々言ってる前に、婚姻費用早く請求しましょうよ!別居してすぐに婚姻費用を請求してれば、あなたの場合、すでに慰謝料の倍以上の金額受け取れてたはずなんですよ!

とか言っちゃいますよね・・・

相場が100〜200万円前後だとしても、話合いでお互いが納得していれば、慰謝料を500万円とか1000万円とかもらったって別にいいんですよ。

私

慰謝料1000万円も受け取るなんて公序良俗違反!みたいな判決もありますが。まあ、当事者が納得してる場合には、そもそも裁判になんてならないですしね。

だけど実際の離婚協議では、主戦場はあくまで財産分与・養育費・婚姻費用であることが多く、慰謝料は最後の調整のスパイス程度の役割しか果たさないことが多いんですよね。

私

一応慰謝料も請求してるけど、そもそも請求していることを忘れるくらい全く話題に上がらないってことも多い気がする・・・

なので、リターンの少ない慰謝料にこだわっても、労力のムダになってしまうのです。

まとめ

慰謝料の相場は恐ろしく低いです。

配偶者の不貞行為の証拠を握っている、というような場合以外には、ほぼもらえないと思っておいた方が無難です。

財産分与や養育費、婚姻費用など、慰謝料の他に請求できるものはないですか?

おそらく慰謝料に固執するよりも、それらの項目に焦点を当てて交渉する方が、トータルリターンは大きくなるはずです。

もらえるお金に色はありません。

気持ちの面でも、慰謝料100万円をもらうより、財産分与3000万円をもらう方が精神的苦痛は慰謝されるはずです。

条件全体を見渡して、どこに注力するのかを判断しましょう。

そうすれば、あなたにとってベストな条件で離婚できると思います。

私

応援しています!

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