こんにちは、リコです。
昨日の記事では、離婚したい場合について書いてみましたが、今日は、離婚したくない側の戦い方についてです。
こちらは、離婚したい側よりもシビアな戦いを強いられることが多いです。
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離婚したくない理由
まず、相手に離婚を突き付けられて、離婚訴訟にまで至るということは、協議、調停という手続を経て、これまでずっと離婚を拒否してきたということです。
そして、離婚を拒否する理由は、単純化すると、大きく次の二つに分かれます。
- 離婚するとお金がもらえなくなるので、経済的な理由から離婚したくない
- 相手のことが好きだから離婚したくない
もちろん上記に当てはまらない場合もあるでしょうし、両方に当てはまる場合もあると思いますが、最終的にはこの二つに収斂されていくという印象です。
というのも、離婚訴訟に至るまでには、協議、調停を通じて長期間話合いが行われています。
ということは、その間、相手から様々な理由を添えて「離婚したい」と言われ続けているわけです。
そうすると、たいていの人は、自身も次第に相手への愛情をなくしていき、それでも離婚したくないのはお金がもらえなくなるから、という経済的理由に落ち着くことが多いのです。
他方で、それだけ相手から色々言われても、やっぱり相手のことが好きだから離婚したくない、という人は、お金のことはどうでもいいという場合が多いです。
そんなわけで、離婚したくない理由は大きく二つに分けられるのですが、それぞれの場合で離婚訴訟の戦い方が若干異なってきます。
経済的理由から離婚したくない場合の戦い方
もはや相手への愛情はなく、本心では離婚したいと思っているけれど、経済的理由から離婚を拒否している人の場合、離婚訴訟に勝ってまで婚姻状態を継続したいと思っていることは多くありません。
訴訟に勝って結局離婚にならなかったとしても、しばらくしてまた訴訟を起こされて再度嫌な思いをすることになるからです。
なので、このようなケースでは、最終的には負ける(離婚が認められる)ことを前提として、なるべく長期化を狙うことになります(その分お金をもらえる期間が増えるから)。
もちろん、書面の提出期限を守らなかったり、期日を空転させたりといったことはできませんが、例えば財産分与や慰謝料請求などの論点を追加して審理を長期化させるなどです。
ですが、内心では離婚したいと思っているので、裁判を長期化させるよりも経済的にお得な和解案が出されたら、それに乗って離婚に応じるというのがベストだと思います。
引っ張るとこまで引っ張り続けてやるわ!
・・・もっといい条件が出てきたら別だけど。
相手を好きで離婚したくない場合の戦い方
こちらは逆に短期決戦にする必要があります。
というのも、「離婚を突き付けられたら覚悟すべき3つのこと」という記事でもお伝えしたように、別居期間が長期化すれば、いつかは必ず離婚になってしまうからです。
なので、相手を好きで離婚したくない場合には、仮に負けた場合を想定して財産分与を申し立てるといったことはせず、なるべく審理を迅速に進めてもらう必要が出てきます。
とはいえ、訴訟提起までにある程度別居期間があるなど、どちらにしても離婚になりそうな場合だと、裁判所も離婚を見越して財産分与の申立てを促すなどしてきますので、それに応じるかどうかは悩みどころでもあります。
応じる場合には、離婚の結論はやむを得ないけどなるべく長期化させるということで、経済的理由で離婚したくない場合と同様の作戦に変更することになります。
もう一つ、離婚したくない場合に重要なポイントが、
相手の挑発に乗らない
ということです。
「【離婚したい】離婚訴訟の戦い方」という記事で書きましたが、離婚したい側は、いかにあなたと仲が悪いか、あなたが嫌いか、あなたと別れたいかを延々と主張してきます。
あることないこと、あなたを誹謗中傷してくるわけです。
誰だって、そんなことをされたら、反論したくもなりますよね。
あなただって悪いとこあるじゃない!
とか、
私があの時ああ言ったのは、あなたがこう言ったからでしょ!
とか、色々言いたくなると思います。
でも、それはダメです。
相手に反論をするということは、結局裁判官の前で言い合いをするということになって、裁判官に、
ああ、仲悪いんだなあ・・・
って思わせることになってしまうのです。
そうすると、
仲が悪いなら、離婚させた方がいいよね。
となってしまいます。
なので、離婚訴訟に勝って離婚を回避するためには、どれだけ相手から悪口を言われようとも、決して言い返したりせず、自分は相手を愛している、やり直したい、ということを伝え続ける必要があるのです。
離婚したくないと主張されるお客様に、この点を説明して、
その覚悟がありますか?
と聞くと、多くの方は、
そんなの無理・・・
となります。
たまに、この覚悟をもって離婚訴訟に臨み、勝訴判決(=離婚しない)を勝ち取る方もいらっしゃいますが、次の裁判ではほぼ確実に負けてしまう(=離婚になる)ことを考えると、ちょっと複雑な気持ちになります。
あくまでお客様の選択をお手伝いするのが役目だと思っていますが、何がお客様にとって一番の幸せなのかは難しい問題だなと思います。