こんにちは、リコです。
たまにこんな質問を受けることがあります。
同居は続けたまんま、籍だけ抜こうと思うんですけど、どう思いますか?
なので、この記事では、同居したまま籍だけ抜くことについて書いてみようと思います。
この記事では、双方が離婚する意思はないけどある目的のために籍を抜くといった、いわゆる偽装離婚は対象としていません。あくまで離婚したい気持ちがある場合を前提としています。
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同居したまま籍を抜くことについての私の考え
オススメしません!!!
ええ、もう絶対にオススメしないですね。
同居したまま籍を抜きたい理由
そもそもなんで同居したまま籍を抜きたいと思うのでしょうか?
一番大きな理由はこれですね。
離婚はしたいけど、子どもの環境を変えたくないんです!
状況は家庭によって様々ですが、
- 子どもが離婚を嫌がっている
- 子どもが転校を嫌がっている
- 子どもは親の不仲について何も知らない
- 子どもは今の家が好き
など、離婚して別居することによって子どもが悲しむ状況になることを避けたいんですね。
気持ちはわかる・・・
あとは、経済的な理由ですね。
離婚はしたいけど、引っ越すお金がないんです!
・・・これは、どうなの?
同居したまま籍を抜くことをオススメしない理由
これでうまくいった例を聞いたことがないからです!
もちろん、私の数少ない相談事例からの体感なので、世の中にはうまくいっているケースもあるのかもしれませんが。
結局、離婚したいってことは、お互いにもう愛情がないわけですよ。
なので、いざ離婚して同居を継続することになっても、どちらかが裏切る可能性が高いんですよ。
具体的にどういうことが起こるかというと・・・
まず、本当に離婚に同意するということは、どちらかが親権者になることに同意することとイコールです。
他の条件は後から決めることができますが、親権者をどちらにするかだけは、必ず決めないと離婚できません。
だけど、離婚後も同居すると思っていると、
離婚後も環境は何にも変わらないから、親権者は別にどっちでもいいかな。
とか思いがちなんですよ。
で、例えば夫が、
親権者は俺な。どうせ同居は続けるんだから、どっちでもいいだろ?
とか言うと、これに応じちゃったりするわけですよ。離婚したいですからね。
でもみなさん、よく思い出してください。
この夫婦、お互いに離婚したいほど仲悪いんですよ。
で、いざ離婚するじゃないですか。
すると、
ここは親権者である俺と子どもの家だぞ。赤の他人であるお前は出てけよ。
みたいなことが起こるわけですよ。
怖いですねー!
それで家にいられなくなって、やむを得ず別居するじゃないですか。
その時に子どもを連れて行こうとしたら、
親権者は俺だぞ!お前のやってることは誘拐だ!
みたいに揉めに揉めて、自分が親権者になろうとしたら、親権者変更というものすごくめんどくさくて大変な手続を裁判所でしないといけなくなるんですよ。
一度決めた親権者は、裁判所で手続をしないと変更することはできません。
都合良すぎる考え方
結局、同居したまま籍を抜くというのは、都合が良すぎる考え方なんですよ。
離婚して夫婦の関係はなくしたいけど、子どもとの関係ではそのままにしておきたいってことですからね。
でも、一緒に住んでいる子どもに隠し通せるわけがないし、結局は歪みが生じて、遅かれ早かれ別居せざるを得ない状況に至ると思うんですよね。
経済的に同居を維持したいなんて考え方は、もっと都合良すぎですよね。
なんで離婚して赤の他人になった後も、同じように経済的援助を受けられると思っているんでしょうか。
夫婦だからこそ、同じ水準の生活をさせるべき、という義務が生じるんですよ。
やっぱり本当に子どもの環境を変えたくなかったり、これまでと同じ経済的援助を受けたいのであれば、離婚なんかするべきじゃないと思うんですよ。
なので、最終的には、離婚したい気持ちと子どものためという気持ちのどちらを優先するか、決断が必要なのだと思います。
安易に籍を抜いて、気づいたら家も子どもも失ってしまった、なんてことにならないように、気をつけていただければと思います。
例外:同居したまま籍を抜くのがオススメな人
例外的に、ご自身が配偶者よりも高収入の方に関しては、同居したまま籍を抜くのは得策の場合があります。
籍を抜いてしまえば、婚姻費用を支払う必要がなくなるからです。
婚姻費用については、こちらをご確認ください。
逆に言えば、自分の方が収入が低い人、ましてや離婚後も経済的援助を受けたいなんて考えている人は、籍を抜いたら婚姻費用がもらえなくなるので、ますます同居したまま籍を抜くメリットがないですよね。
まとめ
同居したまま籍を抜くのはオススメしません。
絶対にいずれは別居せざるを得なくなるので、同居したまま籍を抜きたい思惑を実現することが困難だからです。
ただし、相手より年収が高い人に限っては、別居よりも離婚を先行させることには、婚姻費用を支払わなくてよくなるというメリットがあります。
以上を踏まえて、(特に自身が配偶者よりも年収が低い方は)同居したまま籍を抜くという選択肢については、慎重にご検討いただければと思います。