【妻から離婚と言われた方へ】離婚約を活用してはいかがでしょうか?

こんにちは、リコです。

みなさんは、「離婚約」という言葉をご存知でしょうか?

2017年にインスタントジョンソンのじゃいさんという方がブログでこの言葉を使用して一躍話題となり書籍化までされたそうです。

恥ずかしながら、私は全然知らず、調停の待合室で、

依頼者
依頼者

先生、私、離婚約したいんですけど。

というお客さんに教えてもらって初めて知りました。。。

そんなわけで、読んでみました、「離婚約」。

離婚約とは

「離婚約」は、こんな書き出しで始まります。

突然嫁から「離婚」を宣告された。

それも「4年後の離婚」だ。

今2歳の息子が4年後に小学生になったら、嫁は僕と離婚するらしい。

離婚の約束=「離婚約」

結婚の約束をするのが「婚約」だから、離婚の約束をするのは「離婚約」。

「婚約」があるのだから、「離婚約」があってもおかしくはない。

じゃい「離婚約」(双葉社、2017年)

つまり、今すぐじゃなくて、少し先の(数年後の)話として離婚の約束をするというのが離婚約だそうです。

上記の私の依頼者さんは、夫から離婚を請求されていて、本人としても気持ちの上では離婚で構わないんだけど、現在の状況だと離婚後の生活が不安だから、何年間か生活の見通しを立てるために猶予をもらって、数年後に離婚したい、という希望だったので、「離婚約」を希望したというわけです。

離婚約の法的効果

・・・ないです。

基本的には、離婚というのは、離婚をする時点でお互いが納得していないと成立しないので、たとえこういった約束をしていたとしても、いざ離婚するとなったときに、どちらかが一言、

やっぱり嫌。

って言えば、意味をなさなくなるのです。

そんなわけで、個人的には、書籍を読む前から、

私

離婚約なんて、そんなの、相手が嫌だって言えばそれまでなんだから、何の意味もないじゃん。

と思っていました。

ちなみに、書籍では、著者のじゃいさんが夫婦カウンセラーと弁護士に取材した上で正確な法的効果についても解説してくれています。

離婚約の活用法

そんなわけで、法的効果はないものの、著者のじゃいさんは、女性に対して、

  • 離婚するときの参考に
  • 僕みたいなダメ亭主を改心させるために

離婚約を活用することをオススメしています。

・・・でもこれ、個人的には、女性側から離婚約を提案するのってかなりリスクがあるような気がします。

というのも、この本を読んでいる間ずっと感じていた違和感が、

私

こんな良い夫いる?

ということなんですよ。

じゃいさんは書籍の中で、終始、妻のことを愛しているから、離婚はしたくないけど、妻の言うとおりにする、という態度を貫いているのですが、そんな人います?

私

いや、いるんでしょうけど、そんな夫婦は弁護士の世話にはならないと思うので、私には出会う機会がないんですよね。。。

モラハラ夫とかに離婚約を提案したら、逆ギレされたり、余計にモラハラがひどくなったりしそうじゃないですか?

しかも、そんなじゃいさんでさえ、離婚約をした後は、離婚後の生活に備えて、今まで上乗せして妻に渡していたお金を渡さなくなったと書籍の中で言っています。

そうなんですよ、たいていの夫は、妻から離婚を言い渡されると、途端に財布の紐をきつくし出して、一円でも妻に渡すお金を減らそうとします。

だから、数年後の離婚約なんてしたら、財産分与の額を減らすために、財産を隠されるリスクがかなり高いと思うのです。

そんなわけで、個人的には、女性からの離婚約の提案はオススメしません。しかもじゃいさんの言うような「相手を改心させる目的」であればなおさらです。

離婚事件を多く扱っていると、本当に日々実感することですが、

他人は変えられません。

性格を変えたいと思うような夫だからこそ離婚したくなるのだと思いますが、そんな夫であればなおさら、性格が変わるどころか財産を隠されるのがオチです。

だけど、反対に、自分を変えるための決意表明として離婚約を提案するというのは、結構良いのではないかと思うのです。

押してダメなら引いてみよう」という記事で書いたことがあるのですが、妻から離婚請求をされた場合に、徹底的に抵抗するのをやめて妻の言うことを全て受け入れる態度を取っていると、妻がやっぱり離婚しないでおこうかな、となることがあります。

そこで、妻の言うことを全て受け入れることの証しとして離婚約を活用するのはどうかな、と。

復縁したい夫
復縁したい夫

今まで悪かった。離婚の際の条件は君の言うとおりでいいから、あと2年時間くれないかな?その間に君が不満に思っている点を改善する努力をするから。それでもやっぱり君の不満が解消されなければ、その時は決めた条件どおりの離婚に応じるから、最後のチャンスをください。

みたいな感じで。

書籍の中では、「離婚約誓約書」というものを作成することをオススメしているのですが、そこに妻が希望する離婚条件を記載して、離婚の際はその条件を受け入れることを約束する。その代わり、離婚時期を少し先にして猶予期間をもらう。というイメージです。

妻としては、(他に好きな男性ができた場合は別として)夫に不満があるから離婚したいわけなので、不満がなくなれば離婚する理由はなくなるわけです。

だけど、口で言うだけだと、

妻

今までだって何度も直すって言ったのに、全然直らなかったじゃない!

みたいな感じで信用してもらえないと思うので、覚悟を示すためのツールとして「離婚約誓約書」の作成を提案すれば、かなり本気度は伝わるのではないかと。

まとめ

離婚の約束である「離婚約」には法的効力がないので、離婚したい妻側から突きつける場合には、よっぽど良い夫でない限りリスクが大きいと思いますが、離婚を突きつけられた夫側が、改心するから最後のチャンスをくれ!という場合に本気度を示すものとして活用する分にはかなり効果があるのではないかと思います。

ところで、インスタントジョンソンのじゃいさんの離婚約の期限である「4年後」って今年(2021年)なんですよね。

実際に離婚約どおりに離婚されるのか、気になるところです。。。

2021年4月の私
2021年4月の私

ちなみに離婚は回避されたそうですよ!

この記事をTwitterに投稿したら、ご本人が回答してくださいました。

良かったですね!

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