こんにちは、リコです。
裁判手続が進んでいくと、びっくりするくらい双方の言い分が対立することはよくあることです。
だけど、当の本人たちは、なかなかその事実を受け入れられません。
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言い分が対立すると・・・
相手が自分の主張と真逆の事実を主張してくると、こんなことを言う人がいます。
相手は嘘をついています!
それだけならまだいいのですが、裁判所に自分の主張が採用されないと、
間違っているのは夫の方なのに、どうして裁判官は私の言うことを信じてくれないんですか?ひどいです!
と怒りをあらわにします。
裁判官も人間です。
だけど、考えても見てくださいよ。
裁判官は、あなたと夫が喧嘩をしたそのとき、その場にいたわけではないんですよ。
エスパーや神様じゃあるまいし、そのとき二人の間に何が起こったのかなんて、わかるわけないじゃないですか。
でもでも!夫は前からとっても嘘つきで・・・!だから夫の言うことなんて信じちゃダメなんです!
とかいうそこのあなた。
当然のことながら、裁判官は、あなたが正しいことを言っているという前提には立っていません。
裁判官からしたら、あなただって嘘つきじゃないなんて保証はどこにもないんですよ。
たしかに夫は嘘つきなのかもしれないけど、だからといって、妻が嘘をついていないってことにはならないよ。
誠実な対応が一番
だからこそ、「立証責任ーなぜ証拠が重要なのか」という記事にも書いたように、客観的な証拠が重要になってくるわけです。
ただ、離婚訴訟は、どちらの言い分が正しいかを決める裁判ではありません。
離婚させるべきか否かを決める裁判です。
(この辺りについては、「【離婚裁判】どこまで反論すべき?」という記事をご参照ください。)
そして、その性質上、他の類型の事件と比較して、裁判官の裁量が大きいと言われています。
どういうことかというと、裁判官個人の受ける印象が結論に大きく影響しやすい、ということです。
そして、裁判官は、エスパーや神様じゃないとはいえ、真実や人間を見極めるプロです。
なので、当事者が手続の中で、
- 自分にとって都合の悪い事実を隠そうとする
- 辻褄の合わない主張をする
- 合理的な理由がないのに主張が変遷する
などの不自然・不誠実な対応をしていると、それは必ず裁判官に伝わります。
つまり、不誠実な対応をしていると、それは必ず裁判官に伝わって、自分にとって不利な判断につながる可能性があるということです。
なので、離婚訴訟中の方は、
- 相手が嘘ばっかりつく
- だけどそれを証明する証拠がない
という状況でモヤモヤすることも多いかもしれませんが、あなたはあなたのできる範囲で誠実な対応を心がけましょう。
その心がけはきっと裁判官に伝わり、望む結論に近づけるはずです。